耳つぼ体験記

　疑いながらダイエットを始めて１カ月もたたぬ間に、私はそのすごさに驚き、感激しました。思わずその時通っていた耳つぼダイエットの先生に、「これ、すごいですね！」と、興奮して話したのをはっきりと覚えています。１カ月足らずで私に訪れた変化は…体重が軽くなっただけではありませんでした。

　それまでの私は、知らない土地に引っ越ししてきて知り合い１人いない、友達もいない、何年もスーパーと家との往復だけの生活。『引きこもり主婦』でした。元々長いあいだ鬱を患っていましたが、そのころの体調はこれまででも最悪だったと思います。家事もこなせない。朝も起きれない。夜は眠れない。毎日毎日ほとんどの時間を、座ったり寝転んだりしながら、テレビを見るだけ。食べて寝るだけの孤独な日々でした。

　それが、少しずつ少しずつ、体重が減るのと一緒に、心も身体もすごく楽になっていきました。それからはダイエットが楽しくて、鏡で自分を見るたびに嬉しくて、毎日少しずつ体重が減っていく。だけど2カ月、3カ月、振り返るとすごいスピードでどんどん健康的に、気持ちも明るくなっていく。これが本当に現実に自分に起こったことなのか、ずっと信じられないような不思議な感覚でした。　

　そして肥満とは「栄誉失調の状態」であり、十分な栄養が摂れていないから、身体が欲して余計に食べてしまい、摂取カロリーだけが高くなってしまっているということを知り、そんな考え方をしたことはなかったので本当に「目からうろこ」でした。さらに、残念ながら現代の食生活では、どんなに気を付けていても本当に必要な栄養素がとりにくいことも知り、ダブルショックでした。

　朝はパンとコーヒー、お昼は抜き。時には朝も昼もパン！晩御飯はガッツリ。食後にはスイーツにパン！

　今までの食生活を続けていくことの恐ろしさ。食べるものが自分や家族の身体を作っている。「まごはやさしいこ」の食物を積極的に食べる。規則正しく食べる。よく噛んで、ゆっくり食べる。そして、早寝早起き！…どんな生活が身体に良いのかは、頭ではわかっていましたが、なかなか実行するのは難しかったこと、それらをダイエットを通して「本当に大切なんだ」と実感できました。これは、簡単なようでなかなか身をもって知る機会のない、すごく良い経験だったと思います。

　ダイエット中は、家庭の問題などですごくストレスがたまり、ついバク食いをしてしまうこともありました。でも耳つぼの先生は絶対に非難せず、いつも私の悩みを聞いてくれ、共感してくれ、励ましてくれました。そしてダイエットの成功を自分のことのように喜んでくれました。私は、耳つぼダイエットに通うことが楽しくて、「出かけるところがあるって、幸せだな。人と話せることって、こんなに楽しかったのか。」と思いました。そのことも鬱が軽快していった理由の一つだと思います。

  実際にダイエットが終わるころには、高血圧や抗うつ剤、睡眠薬がかなり減りました。